あのワークマンがコロナ禍でつかんだ自信 快進撃の立役者である土屋哲雄専務を直撃

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コロナ禍で多くの小売り店が苦戦する中、ワークマンはむしろ自信を深めている(撮影:尾形文繁)

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「ウチの商品はヒットしない」「どこにニーズがあるのかわからない――」。正解のないマーケティングにおいて、最大の教科書である「実例」の記事を集めた短期連載「東洋経済ダイジェスト 実践マーケティング」。
店舗に求める役割を割り切った独自の出店戦略に着目し、2020年6月19日に公開したこの記事を再録する(情報は公開時点のもの)。

建設作業員などのプロ客から一般客にまで顧客を広げ、破竹の勢いで成長を続ける作業服チェーンのワークマン。

コロナ禍においても、その勢いは衰えない。新型コロナウイルスの感染が全国的に広まった今年2月以降も既存店売上高は前年超えを維持し、5月は前年同月比19%増もの伸びを見せた。

とはいえ、外出自粛ムードが長期化する中で小売企業を取り巻く環境は激変している。今後は消費者の「リアル店舗離れ」も懸念される。

その影響はワークマンにとっても同じなのか。同社創業者・土屋嘉雄氏の縁戚に当たり、ここ数年の快進撃の立役者である土屋哲雄専務を直撃した。(インタビューは6月12日にオンラインで実施)

重要なことはライフスタイルの変化

――コロナ禍でもワークマンの既存店売上高は絶好調です。これは、予想通りなのでしょうか。

いやいや、想定外ですね。

4月は「開店休業」状態になってもよいくらいに思っていた。全店舗のうち8割の店が時短営業か臨時休業(土日のみ休業など)を実施したので、特に5月の既存店売上高が前年同月比で120%近くとなったのは驚きだった。

自動車産業が盛んな愛知や静岡の店舗では、作業系商品の売り上げが落ちた。工場が止まるとプロ客は作業服を買わなくなるから、如実に店舗の数字として出る。その落ち込みを一般客向けの増加で補った形だった。

一般客が伸びたのはすべて「自社の力」と言えればよいが、ショッピングセンター(SC)が一時休業した影響が大きい。ユニクロなどの店舗も一時閉まっていたので、「じゃあ、ワークマンでいいや」といって、うちの路面店に顧客が流れてきた。

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