「かつて、米国は3億人の内需で世界経済を動かした。そしてこれからは、中国の14億人の内需が世界経済の発展を牽引する」。中国のネット通販(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)の創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は、9月15日、オンラインで開催された中国国際スマート産業博覧会で持論を語った。内需とは富裕層の消費だけではなく、低所得層の消費こそが本当の意味で持続可能な内需拡大を支える原動力だという。
新型コロナウイルスの流行という想定外の事態により、あらゆる企業がデジタル化のより一層の推進を迫られている。それが世界的なデジタル化の流れを加速し、本来なら30~50年かかったであろう変化が、今や10~20年で実現可能になってきた。
「新型コロナの流行は、以前は非常時にだけ使われた技術を日常的な技術に変えつつある。これは巨大なビジネスチャンスだ」(馬氏)
例えば新型コロナの流行以前、中国の零細商店でオンライン取引のリテラシーがある店は2割もなかった。しかし「コロナ後」は、わずか1~2カ月のうちに数十万店の零細商店がオンラインで注文を受け付けるデリバリーサービスを開始した。多くの零細商店が(新型コロナをきっかけに)デジタル化の効用に触れ、先進技術の活用を通じた伝統的な商売の改善に目覚めたことが背景にあると、馬氏は分析する。
(財新記者:劉沛林、原文の配信は9月15日)
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