電力営業で相次ぐトラブル 事業者の狙いは「検針票」
相次ぐ行政処分で消費者庁が全事業者に一斉点検を求めた。
2016年の電力小売り自由化から4年が経過し、電力小売事業者の営業手法に対する当局の目が厳しくなっている。
消費者庁は6月、すべての小売電気事業者に法令等の順守を重点的に点検するよう要請を行った。伊藤明子消費者庁長官は「ここのところ(事業者を)高い頻度で処分しており、やや緩みがあるのではないかと懸念している」と述べた。
小売り自由化以前は地域ごとに電力の購入先が決まっており、ユーザーは東京電力や関西電力などの旧一般電気事業者からしか買えなかった。だが、自由化で各社がこぞって参入し、登録事業者(小売電気事業者)は662(20年7月1日時点)に上る。17年にはガス小売りも自由化し、ガスとのセット販売営業もさかんに展開されている。
電力・ガス取引監視等委員会によると20年3月の新電力シェアは16.1%(販売電力量ベース)と電力の契約先切り替えは徐々に浸透しつつある。
一方、顧客争奪戦が激化したせいか国民生活センターなどに寄せられる電力営業に関する相談は年々増加。19年度は約6000件と17年度の約3倍に膨らんだ。電話勧誘を断ったのに申込完了の書面が届いた、勧誘員が社名を名乗らずに営業をしてきたなど、相談される内容は多岐にわたる。
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