日産、新型SUVの重責 不振の国内販売をテコ入れ
久々となる新型車「キックス」投入で国内市場での巻き返しを狙う。
業績不振に苦しむ日産自動車が、国内での復権に向けて新型車を投入した。6月末に国内で発売した「キックス」は、5月下旬に新たな中期経営計画を発表した後、初の新型車となる。
キックスが属するコンパクトSUV(スポーツ用多目的車)はもともと、日産が2010年に発売した「ジューク」で切り開いたセグメントだ。斬新な外見で人気を博したが、トヨタ自動車の「C-HR」やホンダの「ヴェゼル」など競合が相次いで参入。フルモデルチェンジをしないジュークは顧客を奪われ、19年末に国内生産を終えた。
キックスはそのジュークの事実上の後継モデルで、国内でも人気の高いコンパクトSUV市場で日産が再び存在感を取り戻すという重要な使命を負っている。
「ディーラーの人は『売れる車がないんですよね』と言っている。恥ずかしくないのか」。6月末に開かれた日産の株主総会で、ある株主が国内での新車投入の乏しさを痛烈に批判した。
実際、日産は新型車の投入が少なく、モデルチェンジから長期間経過した「高齢車」が多い。軽自動車は19年から2年連続で新型車を投入したが、主力の登録車は、17年10月発売の電気自動車(EV)「リーフ」以降、フルモデルチェンジの車がない。完全な新型車に至っては、キックスが初代「リーフ」以来、実に10年ぶりとなる。
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