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日本企業を襲う新型肺炎、業績・生産への打撃は不可避 工場の操業停止や店舗閉鎖へ
業績を下方修正する可能性も出始めた。

セダン「シビック」やSUV「CR-V」などの主力車種を生産するホンダの武漢工場(写真は2017年撮影)。工場閉鎖が長引けば、販売への影響も出そうだ
コロナウイルスによる新型肺炎は、2月に入って中国での死者が300人超、患者数も1万人を超え、内外の金融市場に動揺が走っている。
米国のダウ平均株価は1月31日、600ドル以上下落。週明け2月3日は中国株、日本株ともに大幅安で引けた。米FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長ら政策当局者の間にも世界経済減速への危機感が高まっている。
ホンダは生産停止に
新型肺炎の影響は中国に工場や店舗を展開している日本企業にも及び始めた。
完成車工場4カ所を展開するトヨタ自動車は稼働再開を2月10日に延期した。だが、とくに影響が大きいのが湖北省武漢に4輪車工場を持つホンダだ。
ホンダは当初2月3日としていた武漢工場の稼働再開を14日以降とすると発表。広東省広州の4輪車工場や上海近郊の2輪車工場などの再開も同10日以降としており、2月の春節明け以降も全工場の生産停止を余儀なくされている。
生産停止は現地政府の要請を受けたもので、「現時点では再開時期は見通せない」。武漢駐在の日本人社員は一部を残し、約30人を政府のチャーター便で帰国させた。
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