コロナ対策に「民間の知見」、データ活用への期待と懸念 政府は位置情報などの民間データを活用する方針だがIT大手は慎重な姿勢を示す

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「新型コロナ対策のための全国調査」は、LINEアプリに届いたメッセージから簡単に回答できる仕組みだ

3月31日と4月6日、メッセンジャーアプリで国内最大のLINEは全国8300万の利用者に対し「新型コロナ対策のための全国調査」と題されたアンケート調査を送信した。厚生労働省が民間事業者向けに行った「新型コロナウイルス感染症のクラスター対策に資する情報提供に関する協定締結の呼びかけ」に応えてのものだ。

調査の目的は、新型コロナの感染拡大が深刻化する中、各地域で感染経路の不明な患者やクラスター(患者間の関連が認められた集団)の発生を封じ込めること。民間企業が事業活動を通じて得ているユーザー情報を活用しながら、感染拡大防止策を講じていく。

第1回の調査では、有効回答数が2450万(回答率は約30%)だった。厚労省新型コロナ対策本部クラスター対策班の西浦博・北海道大学教授は「(この調査で)市中で起こっている隠れた事態の進行を検知できれば、有効な対策につながる可能性がある」と話す。

同様の調査は今後複数回行われる見通しだが、LINEユーザーが気になるのは調査で入力した情報がどう使われるのかだろう。同調査で問われるのは、現在の体調、普段行っている感染予防策、2週間以内の海外渡航歴や、年齢、仕事内容、居住地(郵便番号)について。プライバシーに関わる項目もある。

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