危機にあえぐボーイング、株価重視経営をコロナ直撃 主力の737MAXの墜落事故の影響で財務体質が悪化
世界最大の航空機メーカー、米ボーイングが経営危機にあえいでいる。主力の小型旅客機「737MAX」が2018~19年に相次いで墜落事故を起こし、運航停止に追い込まれたことを引き金に業績が悪化。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、ボーイングなどは米政府などに総額600億ドルの支援を求めた。
ボーイングの19年12月期決算は売上高が前期比24%減の766億ドル、純損失は6億3600万ドルとなり、1997年以来の最終赤字となった。同期末は83億ドルもの債務超過に陥った。
最大の理由は737MAXの運航停止だ。18年にインドネシアで、19年にはエチオピアで墜落事故を起こし、それぞれ乗員乗客全員が死亡する大惨事となった。同機は全世界で運航を停止し、これに対する航空会社への補償金も重荷になっている。
20年1月には、「(737MAXは)道化が設計し、猿が監督している」と揶揄するボーイング社員のメールが見つかったと同社が発表。「猿」とは航空機の安全を審査する米連邦航空局を指すとみられ、反省の気持ちのないボーイングの体質に米議会からも厳しい批判の声が上がった。737MAXは20年夏以降の運航再開を目指しているが、遅れる可能性もある。
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