官僚人生を懸けた抗議を無視する安倍政権。

衆院予算委員会で黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題について答弁する森雅子法務相(毎日新聞社/ アフロ)
今年もまた3月7日が巡ってきた。2年前のこの日、学校法人「森友学園」との国有地取引を担当する部署にいて、土地取引をめぐる公文書を改ざんするよう強いられた財務省近畿財務局職員が、自ら命を絶った。
自殺の原因については、麻生太郎副総理兼財務相が改ざんに関する調査報告書を発表した2018年6月4日の記者会見で、「改ざんに関与したことに非常に責任を感じて、という形で身を絶たれた方がおられた。甚だ痛ましい話で、われわれとしては極めて残念」と明確に述べている。
職員の自死が明らかになったときの衝撃はすさまじかった。当初は自民党の中でさえ、麻生副総理兼財務相の辞任、ひいては安倍晋三首相の退陣まで取り沙汰されるほどだった。麻生氏は一時、辞任を考えたことを明らかにしている。しかし、2日後の3月9日に佐川宣寿国税庁長官が辞任し、6月4日に調査報告書を基に20人が処分されただけで、麻生、安倍両氏はいまだに当時と同じポストに居座り続けている。まるで何事もなかったかのようである。
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