40歳代で早くもリストラ、後は戦慄の起承転“チキン”
──「ヘル朝鮮」「N放(ポ)世代」「スプーン階級論」……。最近の流行語がふんだんに紹介され、韓国社会の今を描写しています。50歳代の男性を指す「起承転チキン」の語感に笑ってしまいましたが、その意味を知って背筋が凍りました。
中年男性の人生を表した言葉で、学歴・就職先がどうであれ、人生の終着駅がフライドチキン店のオーナーだという意味です。韓国では世界的なフランチャイズチェーンを含めて、チキン店が目につきます。実際に、2014年から18年までに年平均約6800のチキン店が開業し、約8600が廃業したという調査結果もあります。違う意味のチキンゲームが繰り広げられています。
──なぜ中年男性はチキン店の開業に行き着くのでしょうか。
韓国企業の定年は60歳ですが、日本でいう年功序列のような職級や序列制度は瓦解中です。40歳代で成果を出せないとリストラの対象になり、その会社に残れません。どうせ退職するならばいっそのこと自営業をと考え、参入が手っ取り早い外食、とくにチキン店を開業する中年男性が多いのです。でも、現状は先に示したように、決して幸福な終着駅に誰もがたどり着けるわけではありません。
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