――二審判決では、訴訟費用は一審、二審とも原告がすべて負担することになりました。
原告の訴え(2018年の株主総会の不存在や決議取り消し、取締役としての地位確認請求など)がすべて却下または棄却されたから、機械的に考えるとそうなる。一審では一部勝っていたのに、二審ではすべて負けたので訴訟費用を負担するわけだが、確かに(すべての負担は)厳しい。
二審の判決文を読むと実質的には原告勝訴に近い。総会決議の瑕疵(不備)として原告が主張している部分は、二審で全部認められているからだ。2018年6月の70期総会は、原告が言っているとおり瑕疵があった。
瑕疵があったのになぜ原告が救済されない(取締役としての地位確認が認められない)のかというと、すぐに判決が出なかったからだ。二審の判決が出るまでに、昨年の総会決議から1年以上かかっている。
1週間で判断が下せたはず
――取締役の任期が1年に短縮する会社が増えた中で、裁判に1年以上かかっていると、今回のように、当時は取締役だったことが判明してもすでに次の総会で別の取締役が選ばれており、「訴えの利益がない」(訴訟に勝っても得るものがない)となってしまいます。
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