10月17日、東京高等裁判所の511号法廷。原告であるアドバネクスの加藤雄一・元会長は関係者らと傍聴席の真ん中最前列に座り、13時15分からの判決言い渡しを静かに待った。
加藤元会長が2018年6月の株主総会決議の不存在の確認や総会決議取り消しを求めていた訴訟で、高裁の足立哲裁判長が言い渡した二審判決では、原告の訴えを却下または棄却し全面的に退けた。
『週刊東洋経済プラス』でこれまで報じてきたとおり、前代未聞の事件は2018年6月の定時株主総会で起きた。アドバネクスの筆頭株主、AAAの朝田英太郎代表が会社の取締役選任案に修正動議を提出。事件当時はこの修正動議が可決されたとして、創業家の加藤雄一会長、武田栄一取締役、社外取締役の尾関友保氏や米倉誠一郎氏の4人が再任されず、事実上解任された(加藤氏以下の肩書は当時)。
このときの総会では朝田代表が用意した投票用紙で修正動議を採決。採決後に会場の都合で総会会場を本社会議室に移した。本社会議室で再開されると、すぐに議長の解任動議があり、新たな議長として朝田氏関連会社社員を選任した直後、採決結果を発表しないまま、修正動議の可決を宣言して閉会した。
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