吉野名誉フェローが語り尽くした電池とクルマの未来 【プラスオリジナル】1万字インタビュー
昨年のインタビューで、リチウムイオン電池の過去・現在・未来を語った吉野彰氏。日本企業はもっと危機感を持つべきだと強調した。
——リチウムイオン電池が最初に採用されたのはビデオカメラでした。開発当時、今のようにさまざまIT機器に使われている世界を想像していましたか。
よく聞かれますけど、残念ながらそういう世界を想像していたわけではなくてね(笑)。
当初、ターゲットにしていたのは8ミリビデオカメラ用電池です。当然、その時点ではまだ携帯電話とかスマートフォンとかノート型パソコンなんてまったく世の中にないしね。
現在のビデオカメラにも当然、リチウムイオン電池が使われていますが、全体のコンマ2%なんですよ。だから、(今の状況は)だいたい当初予想していたマーケットのだいたい500倍。
——それはすごい。
結果的には、IT機器が普及していくことで電池の使用も増えていったんだけど、スタート時点ではとにかくビデオカメラに搭載されたら大きなマーケット捕まえれますよ、という感じでした。
——今やIT機器だけでなく自動車にも。例えば、米テスラの電気自動車(EV)には円筒型のリチウムイオン電池が何千本も入っています。
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