「頑張れば報われる」認識に男女差がある理由 性別役割分業が影響、40代から男性を下回る

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今年4月、東京大学の入学式での上野千鶴子名誉教授による祝辞が注目を浴びた。この祝辞で最も印象的だったのは、「あなたたちは頑張れば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、(中略)あなたたちが今日『頑張ったら報われる』と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持って引き上げ、やりとげたことを評価して褒めてくれたからこそです」という部分である。

「頑張ったら報われる」という認識は、心理学では「ローカス・オブ・コントロール」「自己効力感」などといった概念で表され、これまで半世紀にわたりさまざまな研究が進められてきた。それらによると、努力が報われるという認識を持つ人ほど学業でよい成績を収め、所得や貯蓄額も高いことが判明している。また、失業リスクは低く失業時の対応力も高い。健康管理、災害への備え、コミュニティー活動にも積極的で薬物依存リスクも低く、総じて生活満足度や幸福度は高い傾向がある。

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