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創業精神を時代に合わせて「アップグレード」せよ ソニーに学ぶ3つの教訓 その1

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2018年に開催された米家電見本市で「感動」を強調する平井氏

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「感動企業」をつねに強調

ソニーはエレクトロニクスの会社と思われがちだが、2018年度の業績を見ると、ゲームや音楽などのエンターテインメントコンテンツが営業利益の7割近くを稼いでおり、実はエレクトロニクスへの依存度は低い。

脱エレキの土壌づくりをしたのが、12年に社長に就任した平井一夫氏(現シニアアドバイザー)だ。平井氏がソニーの再生を進めるうえで取り組んだことの1つは、創業の理念に立ち返り、「ソニーとはいったい何の会社なのか」を明確にすること。そこでたどり着いたのが、「ユーザーを感動させる会社」という自己規定だ。

平井氏はプレゼンテーションの際に、「感動」の2文字が書かれたスライドを好んで使った。海外向けの発信では、感動を覚えたときに発する言葉である「WOW」や、「KANDO」などの表記も用いた。

社員の間で今なお語り草となっているのが、14年1月に米国で開催された国際家電見本市「CES」で記者発表会に登壇した平井氏のスピーチだ。流暢な英語を操り、「WOW」を数十回も連発するユーモラスなプレゼンに、会場からは笑いが漏れた。

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