おの・まさひろ●慶応大学卒業後、山一証券入社。複数の証券会社を経て2003年から現職。(撮影:尾形文繁)
2013年に当時社長だった平井一夫氏(現シニアアドバイザー)が、現社長の吉田憲一郎氏を子会社から本体のCSO(最高戦略責任者)として呼び戻してからソニーの経営陣が一貫して言ってきたのは、これから「リカーリング(継続課金)型」のビジネスにしていくということだった。実際にその形は整いつつある。
ゲームではプラットフォームとしてのハードを普及させ、月額制サービスのプレイステーションネットワークで継続的に収益を取り込む、音楽でも版権を生かしたストリーミングサービスで稼ぐ、というように安定的な収益源を築くことに成功した。リカーリングモデルの推進や不採算事業の売却を経て、年間売り上げは8兆円、営業利益は8000億円の水準を出せるようになったのは過去と大きく違うところで、評価できる。
専業メーカーを意識し半導体投資も続けよ
14年度に上場来初の無配に転落したが、これも振り返ればメッセージは明確だった。かなりプレッシャーのかかる決断だっただろうが、同時に役職や給与制度を見直し社内にも危機感を持たせた。社内外への発信という点では納得のいくやり方だった。
株式市場からコングロマリットディスカウントと言われることは、経営陣も十分理解しているだろう。ゲームにしろ音楽にしろ、専業メーカーに比べると営業利益率10%というのは低い。15〜20%まで高めるべきだという機関投資家の主張にはうなずける部分があるし、その水準に持っていけるような、例えばゲームスタジオや音楽レーベルの買収などは選択肢に入れたほうがいい。
ただ、目先のキャッシュの使い道としては、半導体事業でいかにスピーディーに投資できるかが重要だ。18〜20年度に全社で1.2兆円投資するうち半導体が過半を占めるとしているが、装置集約型の半導体は1兆円規模の投資でも決して大きくはない。
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