ふるさと回帰支援センター理事長 高橋 公 「地方移住」のパイオニア、元全共闘の山あり谷あり人生
早稲田の元闘士は中退して彷徨の人生を送る。組合活動を経て、今はふるさとに帰る人々を後押しする。人にとって幸せとは何かを追求してきた。
「東京にある、ふるさと回帰センターでは、10年前は相談に来る人の半数近くが60代以上でした。直近では相談件数自体が10倍以上に増え、そのうち9割が50代以下の現役世代に占められています」
今年1月4日、首相の安倍晋三は年頭記者会見で「地方創生」について問われ、回答にそんなデータを交えた。
安倍が触れた認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(正式名称は「100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」)の理事長、高橋公(たかはし・ひろし 71)は、後でこの発言を知り、ある種の感慨を禁じえなかった。
「えっ? 総理まで注目しているのか、という感じ。実績が上がったからこそでしょう。期待に応えないといけない、と改めて気持ちを引き締めました」
もともとは団塊世代のUターン促進を目的に設立された組織だが、安倍の言うとおり、リーマンショック後は若年層の地方移住の比重が高まっている。センターに寄せられる相談は2008年には約2500件だったが、昨年は約4万1500件になった。10年前は50代以上が7割を占めていたが、昨年は20~40代が7割強になり、年齢構成は完全に逆転した。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら