千代田区立麹町中学校 校長 工藤勇一 学校の当たり前を疑え “公立一筋"校長の突破力
宿題もテストもない。クラス担任もいない。行事は生徒の自主性に任す。生きる力を引き出すため、脱常識の運営で学校を変えてきた。
最寄り駅は東京メトロの永田町駅。近くには国会や最高裁判所といった国の中枢機関が立ち並び、目の前にはヤフー本社などが入る高層のオフィスビルがそびえ立つ。そんな環境の真ん中に、千代田区立麹町中学校はある。
2012年に建て替えられた校舎は地上6階、地下1階建てで、最上階は屋内プール。「合同教室」と呼ばれるホールは2層吹き抜け。ちょっとした大学の講義室の趣だ。災害時の地域住民の受け入れや物資の備蓄に対応しているというが、それにしても公立校としては実にうらやましい。そんな思いを誰もが持つらしい。
「恵まれているでしょう。私も校長室が立派すぎて、いまだに落ち着かない」
合同教室の広々としたステージに立ち、校長の工藤勇一(くどう・ゆういち 59)は照れ笑いしながら、詰めかけた来校者に話しかけた。昨年の終わりごろから学校への視察依頼が急増。個別対応がしきれず、1日に数件分をまとめて「合同視察」として受け入れるようになったのだ。2月上旬のこの日も、数十人の教育関係者が熱い「工藤節」に耳を傾けた。
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