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微細加工用エンドミル 「見えない工具」の舞台裏 「もっと小さいの、できる?」を先取り

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加工されるエンドミルは工作機械内で1本1本精度測定をしている。「精度測定のノウハウを明かしたら僕でもクビです」(後藤副社長)(写真:山根一眞)

2013年、南米チリ、アンデス山脈の海抜5000メートル地点に完成した66台の電波望遠鏡「アルマ」。人類が手にした宇宙を見る最高の「眼」を描くノンフィクション作品(『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』)の取材で訪ねたのが、アルマ向けの極小部品加工を担った福島県、安達太良(あだたら)山麓にある川島製作所の工場だ。

その部品の加工には、直径が髪の毛の半分、0.04ミリメートルという極微細加工用の切削工具「エンドミル」を使ったという。「刃先をちょっと指で触れただけで折れてしまう」という刃物である。「この工具メーカーは刃先の径が0.01ミリという極めて細いエンドミルも作っている」と聞いたので、ぜひ訪ねたいと思っていた。

それが日進工具(本社、東京・品川区)だ。念願がかない、宮城県黒川郡大和町の仙台工場を訪ね、副社長の後藤隆司さんに会うことができた。

日進工具副社長、後藤隆司さん(55、左)が刃が見えない直径0.01mmのエンドミルを示す。右が筆者(写真:山根事務所)

山根:0.01ミリのエンドミル、やっと手にした貴重な1本?

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