

山根 現在のJAXAの主力ロケットであるH-2Aの試験機1号機が打ち上げられた2001年8月29日は忘れられない日ですが、あれからもう18年になるんですね。
岡田 H-2Aの打ち上げ実績は40機。増強型のH-2Bロケットも含めると打ち上げの成功率は97.9%、そのエンジンLE-7Aの成功率は100%で、いずれも世界トップの水準です。
山根 最近は打ち上げ時にハラハラしなくなりました(笑)。それほどの超優等生なのに、なぜ新型ロケットが必要なんですか。
岡田 基幹ロケットは国の重要なインフラです。それを自国技術で製造する「自立性の確保」と、政府衛星の打ち上げ能力を持つことは極めて重要です。一方、宇宙利用のニーズが増大し、ロケット打ち上げビジネスは熱い競争時代に入っています。日本が世界でイニシアチブを手にするためには、顧客ニーズに柔軟に対応できるロケットのシステム、高い信頼性、そして低価格が必須です。その国際競争力の実現には民間力が欠かせません。そこでH3ロケットは、JAXAがイニシアチブを持ちながら、プライムコントラクタの三菱重工業と契約し、民間がH3ロケットのビジネスを存分に広げられる開発体制としたことも、これまでと大きく異なる点です。
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