2019年の百貨店業界は、長年抱えてきた課題に直面する1年になりそうだ。市場の縮小基調が続き、業界全体の売上高は17年まで4年連続で前年割れ。現在の市場規模は、1990年代のピークの6割に減少している。
ただ、17年後半から18年にかけては追い風が吹いた。訪日外国人客が増加し、それに伴い免税売上高が拡大。訪日客需要の恩恵を受けることができる首都圏や関西圏の大型店舗は、総じて売り上げが好調だった。
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、基幹店である伊勢丹新宿本店の売上高が18年4月から10月の累計で前年同期比7.2%増、銀座三越も同7.1%増で推移した。J. フロントリテイリングは、大丸心斎橋店が18年3月から8月の累計で前年同期比9.3%増。高島屋も大阪店が同期間の累計で前年同期比5.1%増だった。
旺盛な需要を取り込むべく、各社ともに大都市圏店舗の強化に力を注ぐ。三越伊勢丹HDは日本橋三越本店や伊勢丹新宿本店を19年度内に改装オープンする。J.フロントは19年秋の開業に向けて大丸心斎橋店本館の建て替え工事を着々と進める。高島屋は18年9月に、人気飲食店などを誘致した都市型ショッピングセンター「日本橋高島屋S.C.」を開業した。
地方は売り上げ激減 19年も閉店が相次ぐ
大都市圏での展開が活発化しそうな勢いの一方で、郊外・地方店は売り上げの落ち込みが目立つ。訪日客需要の支えがないうえに、全般に地元消費が盛り上がりに欠ける。
伊勢丹府中店の18年4月から10月の累計売上高は前年同期比5.6%減、伊勢丹相模原店も同2.9%減だった。大丸山科店も、18年3月から8月の累計売上高が2.7%減と苦戦した。
こういった不振店舗は、軒並み撤退に追い込まれる。伊勢丹府中店と伊勢丹相模原店は19年9月に閉鎖、新潟三越は20年3月に撤退、大丸山科店も19年3月に店じまいする。北九州を地盤とする老舗百貨店の井筒屋も、黒崎店など3店舗を19年5月までに順次閉店する。

消費再増税が控える19年はさらに事態が深刻だ。地方百貨店の関係者は「衣料品販売が落ち込む中で19年に消費増税が実施されるとなると、地方の店舗はかなり厳しくなる」と嘆く。19年以降も少子高齢化による需要先細りが懸念される。
三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は「大規模店舗の閉鎖はもうない。これは断言する」と、追加リストラがないことを強調する。しかし、広島三越や松山三越など赤字が続く地方店舗については、閉鎖を含めた抜本的な運営の見直しが避けられないだろう。
「地元ブランド導入などにより地域特性に応じ、地元民を呼び込む『物語』を提供することができれば、地方店舗も収益を上げることが可能」と、J.フロントの山本良一社長は説く。不振にあえぐ郊外・地方店舗をどのように立て直していくのか。各社にはこれまでにない発想での取り組みが求められる。






















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