有料会員限定

Interview|アイリスオーヤマ会長 大山健太郎 電機|「AV機器で大手に伍するブランド作る」

✎ 1〜 ✎ 61 ✎ 62 ✎ 63 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

長引く停滞を打破し、B to Bに舵を切って復調した電機大手。それを尻目にB to Cの家電市場で存在感を示すのが、手頃価格の新興メーカーだ。その代表格がアイリスオーヤマ。布団乾燥機など中小型家電でヒットを飛ばし、2018年11月にテレビを投入、AV機器市場に参入した。会長にポスト平成の生存戦略を聞いた。

おおやま・けんたろう●1945年、大阪府生まれ。19歳で家業であるプラスチック成形の町工場を継ぎ、園芸やペット用品などに事業拡大。91年、現社名に変更。2018年に会長に就任。(撮影:梅谷秀司)

特集「変容を迫られるニッポン株式会社」の他の記事を読む

──AV機器市場に参入しました。

わが社はもともと、ホームセンター向けに園芸用品やペット用品を手掛けていたが、09年に本格的に家電市場に参入した。今では家電事業が、わが社の成長分野だ。

これまで掃除機や調理家電など中小型家電が中心だったが、今後はAV機器にも力を入れる。まず投入したのがテレビだ。11月発売のテレビは、ユーザーに「なるほど」と思ってもらえる独自機能が十分でなかったが、19年にはそうした機能を含むテレビを投入する。

やはりAV機器は家電の本流だ。中でもテレビは店頭での(顧客を吸引する)マグネット効果が大きい。大手メーカーは相次ぎ撤退したが、それはグローバルな価格競争で中国勢などに勝てなかったから。実際、既存の日系メーカーのビジネスモデルでは儲からないだろう。ただ、われわれはプラスチックの成形が祖業で、あらゆる製品を垂直統合で内製してきた。家電開発のため大阪にR&D(研究開発)拠点を設け、大手のリストラ退職者の受け皿にもなってきた(18年に東京でも拠点新設)。アイリス流でやれば、従来価格の2分の1でも十分採算が取れる。

テレビ以外のAV機器の投入はまだわからないが、決めればスピーディに製品を投入する。また布団乾燥機など、既存家電のナンバーワンシェア製品は今後、米国など海外での現地生産・販売を進めていく。

──自社の強みをどうとらえるか。

わが社はこれまでも園芸用品などの分野で、ユーザー視点の製品開発を重視するユーザーイン、市場創造型の企業だった。そのベースは家電開発にも当てはまる。

日本の家電産業はかつて輸出を支える基幹産業だったが、それは欧米製品をキャッチアップする経営がうまくいったため。そのベースはプロダクトアウトの発想だ。しかし量販店の規模が大きくなり、マーケットインの発想が求められると、それではうまくいかない。

わが社は変化を先取りしているといわれるが、違う。変化を感じるタイミングではなく、商品投入の決断のスピードが早いだけだ。

──今後、家電市場ではIoT製品の普及が見込まれます。

アマゾンやグーグルがライバルになるといわれるが、彼らはメーカーではない。わが社はすでに彼らのAIスピーカー対応の照明を生産・発売しており、そうした連携は今後もさらに広がるはずだ。

家電の需要はもっと増えていくだろう。これまでの家電は店頭にないと売れなかったが、今やネット通販の台頭で消費者の選択肢が広がっているからだ。家電市場には参入してまだ5年だが、既存の大手メーカーと伍するブランドを作ることが、ポスト平成の課題だ。

(聞き手・本誌:許斐健太)

関連記事
トピックボードAD