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障害者雇用を増やす現場の知恵と実践 先進事例に学ぶ

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中央省庁で障害者雇用率の水増しが問題になったが、民間企業でも法定雇用率の達成は厳しい。先進事例に学ぶ必要が増している。

本誌:長瀧菜摘
写真:「リアルな職場と同じで孤独感を覚えない」と荒木佑介さんは言う

「職場まで1秒というのはありがたい」──。

埼玉県深谷市に住む荒木佑介さん(37)は、毎日自宅の一室に“出勤”している。事故で下肢に障害を負い、車いす生活は7年。以前は事務所に通勤する形の就労も2社経験したが、車で送り迎えをしてくれる両親や職場にかける負担がストレスとなり、辞めてしまった。そのような状況が続いた末に行き着いたのが、現在の「完全在宅」という就労スタイルだった。

今年、中央省庁や地方自治体などの公的機関で障害者に該当しない人を障害者として算入し、障害者の雇用率を水増ししていた問題が明らかになった。障害者の法定雇用率の達成は、民間企業にとっても難問だ。

今年4月には、事実上のペナルティである納付金を一般企業に科す基準となる法定雇用率が、従来の2%から2.2%へと引き上げられた。今後も段階的な引き上げが計画される中で、企業は雇用率達成に向け知恵を絞っているところだ。

厚生労働省によれば、民間企業での実雇用率は2017年で1.97%。法定雇用率を達成している企業は50%と、半分の企業が達成できていない。

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