政権 The Ruling Power 日本経済新聞社編 ~政権交代のあり方 国家統治の本質に迫る

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 その意味で、民主党政権には、いや戦後の日本にはRuling Powerは成立していたのだろうか。確かに、政権はあった。法律も予算も作り、そして執行してきた。しかし、本当の意味での権威や統制力に裏打ちされたリーダーシップはどこにあったのだろうか。本書が投げかける疑問の本質はこういうことなのかもしれない。

1年余りを振り返った本書から、政権や統治をめぐる問題の骨格がおぼろげながら見えてくる。小沢一郎氏の考え方や行動は、実はこの統治という行為と密接に関連しているのではないか。政治家と官僚との役割分担は一体どうあるべきなのか。立場が入れ替わった与野党も、政権交代の本質的な意味を理解していないのではないか。

政権の担当者を単に交代させるだけではない、統治の仕組みそのものを作り直すことの難しさ、これこそが本書の全体から読み取れるメッセージなのかもしれない。

日本経済新聞出版社 1995円 518ページ

  

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