『ファイナンス思考』を書いた朝倉祐介氏に聞く 「『PL脳』は脇に置き、企業価値の最大化を目指せ」

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成長を描いて意思決定する「ファイナンス思考」こそ重要だという。

ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論
ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論(朝倉 祐介 著/ダイヤモンド社/1800円+税/307+xxixページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

ファイナンス思考は四側面で形成される

──ファイナンス思考によって企業価値の最大化を目指すのですね。

企業経営の目的は突き詰めれば企業価値の最大化のはずだ。目先の業績を優先する「PL(損益計算書)脳」は脇に置いて、持続的な成長をすることこそが狙い。

──PL脳?

ファイナンス思考の対立概念としてPL脳はある。損益計算書上の指標、たとえば売り上げや利益の最大化を経営の目的とする考え方だ。そのPL脳からファイナンス思考に考え方を切り替えていくべきなのだ。

──ファイナンスを専門に手掛けるCFO(最高財務責任者)という存在が社内にいますよね。

ファイナンスという言葉を一面的にとらえてはいけない。包括的な企業価値を最大化するためには四面の立体で考える必要がある。資金調達、資金創出、資産の最適配分、それにステークホルダー・コミュニケーションだ。

まず外部からの資金調達はデットファイナンスやエクイティファイナンスの形をとる。資金創出とは、既存の事業から稼ぎ出す利益のことだ。この稼ぎ出した利益は新しい投資の元手にもなる。

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