総選挙から1カ月余りが過ぎたが、「1強」継続を果たした安倍晋三首相の独走が目立っている。内閣支持率は時事通信社の調査で45.4%を記録した(11月10~13日実施。10月は37.1%)。特別国会開会から2週間以上が経過して、安倍内閣は11月17日にやっと所信表明演説に応じたが、分量は第1次内閣も含めて最少で、新味にも欠けた「手抜き所信演説」でお茶を濁した。
対照的に「多弱」となった野党側は迷走が続く。民進党は4分裂となり、立憲民主党、希望の党、参議院議員中心の民進党、衆議院議員13人による無所属の会に分かれた。立憲民主党は枝野幸男代表の続投、希望の党は小池百合子・東京都知事が共同代表を辞任して玉木雄一郎氏の単独代表、民進党は前原誠司代表の辞任・離党で大塚耕平代表、無所属の会は岡田克也代表という体制で再出発した。
旧民進党の分解は、長期低迷の下で不意打ち解散を仕掛けられ、「小池人気」にすがろうとする右派、共産党や社民党の票を当て込む左派、模様眺めの中間派がそれぞれ生き残り第一で動いた選挙目当ての分裂劇という印象が強かった。とはいえ、希望の党合流組は「保守2大政党政治」、立憲民主党結党組は「中道・リベラル」と、目指す路線に違いがあった。
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