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『分裂と統合の日本政治』 『人類一万年の文明論』ほか

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分裂と統合の日本政治 - 統治機構改革と政党システムの変容
分裂と統合の日本政治 - 統治機構改革と政党システムの変容(千倉書房/204ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
すなはら・ようすけ●神戸大学法学部教授。1978年生まれ。東京大学教養学部卒業後、同大学院総合文化研究科修士課程修了。博士(学術)。大阪市立大学、大阪大学を経て、2016年4月から現職。著書に『地方政府の民主主義』『大阪──大都市は国家を超えるか』など。

2党制の定着を困難にする首長の権限強化

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

1990年代の選挙制度改革で構想されたのは、2大政党制の実現だった。民主党政権誕生で実現されたかに見えたが、わずか3年で政権は瓦解。今回の総選挙では、流れを汲む民進党が大分裂し、2大政党制の実現が遠のいたと考える人も少なくない。民主党政権の失敗はガバナンスの欠如によるというのが定説だが、原因は本当にそれだけか。

本書は、気鋭の政治学者が2党制実現を阻むもう一つの要因を明らかにしたものだ。国政レベルでは選挙制度改革が進む一方、地方分権改革で知事や市長など首長の権限が強化されたことが、地方議会における野党の統合を阻害し、2党制定着を困難にしたという。国政に進出した首長政党に民進党がのみ込まれたのも、本書の仮説を裏付ける。

かつての中選挙区制の下での自民党。国会議員が地方議員を系列化し、補助事業などの誘導と引き換えに集票活動を行い、国会議員同士の競争を通じて、国政と地方政治の統合を可能としていた。しかし、小選挙区制導入で、自民党内の競争が消滅、補助事業の縮小もあって、国会議員と地方議員の関係は希薄化した。

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