有料会員限定

ソニー復活の虚実 20年ぶりの絶好調

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

2017年度は最高営業利益を狙うソニー。しかし次の成長の芽は見つからず、いつまで好調が続くのかは不透明だ。

(本誌:田嶌ななみ)

写真:5月の経営方針説明会で平井一夫社長は5年間の成果をアピール

「新しいことに挑戦する、元気に満ちたソニーに戻ってきた」

6月の株主総会でソニー社長の平井一夫は、そう胸を張った。復活をアピールする背景には、好業績がある。2017年度は営業利益を5000億円台に乗せる見通しだ。これは出井伸之・元社長時代以来の20年ぶりとなる高水準。時価総額は5.6兆円を超え、パナソニックの約3.6兆円や日立製作所の約3.4兆円を引き離し、電機大手でトップを独走する。

「どんどん新規事業を進めてほしい」。3月の社内会議では、明るい表情で幹部らを鼓舞する平井の姿があった。12年4月の就任以降、かつてないほど元気を取り戻したのは平井本人なのかもしれない。

就任2年は低空飛行 ナンバー2交代で激変

(注)エレクトロニクス部門にはゲーム含む。2017年7月の時価総額は19日時点(出所)各種資料を基に本誌作成(撮影:今井康一)

特集「ソニー復活の虚実」の他の記事を読む

ここまでの道のりは長かった。前CEOのハワード・ストリンガーから引き継いだ平井がまず手掛けたのが、自社ビルや保有株式などの売却だった。加えて、赤字が常態化していた本業のエレクトロニクス事業(AV、カメラ、スマートフォン、ゲーム、PC)でも、グループ全体で1万人を削減すると発表。が、ここで平井は新社長としてのアピールにつまずく。「経営方針説明会で1万人削減を発表するとき人差し指で1を作ってポーズを取り、社内外で軽率と受け取られた」(ソニー関係者)。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内