有料会員限定

『暴力と社会秩序』 『日本人のための平和論』

✎ 1〜 ✎ 120 ✎ 121 ✎ 122 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
暴力と社会秩序:制度の歴史学のために (叢書 制度を考える)
暴力と社会秩序:制度の歴史学のために (叢書 制度を考える)(エヌティティ出版/426ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

Douglass C. North●1920〜2015年。93年ノーベル経済学賞を共同受賞。84〜90年に米ワシントン大学の政治経済学センター所長。John Joseph Wallis米メリーランド大学経済学教授。全米経済研究所研究員。米国財政、政府の制度と経済発展との関係を専門に研究。Barry R. Weingast米スタンフォード大学政治学部教授。同大学フーヴァー研究所および国際開発センターの上級研究員も務める。

国家を支配連合内の均衡ととらえる

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

人類の歴史は、暴力とその制御の歴史でもある。暴力回避の成否が社会の安定と発展を大きく左右してきた。近代社会は19世紀に誕生したが、現在も国民が政治的、経済的自由を享受するのは30カ国に満たない。権威主義的国家では、選挙が行われても、野党は国家による暴力を意識して行動せざるを得ない。

本書は新制度派経済学の大家らが先進国とそれ以外の国で何が異なるか、暴力の制御という視点から歴史的に分析したものだ。狩猟採集時代の社会秩序の後、長らく社会基盤となったのは自然国家の秩序で、19世紀の西欧に出現し現在の先進国で見られるのがアクセス開放型秩序である。

関連記事
トピックボードAD