3月末に実行計画を取りまとめた、政府の働き方改革実現会議。非正規雇用者の処遇改善や長時間労働の是正など9項目について議論が交わされ、19の対応策が打ち出された。
初回の会議で安倍晋三首相は「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段。働き方改革は社会問題だけでなく、経済問題である」と発言。長年OECD(経済協力開発機構)平均を下回ってきた日本の労働生産性の引き上げに強い意欲を示した。
はたして、今回取りまとめられた実行計画の遂行によって、わが国の労働生産性は改善するのか。そのことを評価するに当たっては、そもそもなぜ日本の労働生産性が伸び悩んでいるのかを考える必要がある。
内閣府の「国民経済計算」によると、国内の就業者数は製造業や建設業で減少が続く一方、サービス業は右肩上がり(図表1)。後者が雇用の受け皿となり、産業構造が変化していることが見て取れる。
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だが、サービス業の労働生産性はほかの産業に比べると見劣りする。「国民経済計算」を基に算出した1人当たりの生産性は、製造業の1715万円に対し、サービス業は450万円。全産業平均の795万円さえも大きく下回っている。
これにはさまざまな背景が考えられるが、高齢化の進展に伴い、医療・介護などの高齢者向けビジネスが拡大し、こうした分野が生産性の面で劣っていることが一因と見る向きもある。「購買力が必ずしも高くない高齢者を顧客にして事業を進めざるをえず、高い値付けができない。その結果、サービス業の生産性は上がりにくくなる」(第一生命経済研究所の熊野英生氏)。
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