有料会員限定

石炭火力ラッシュの罠 揺らぐ低炭素社会 [前編]

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
拡大
縮小

石炭火力発電所の建設計画が日本各地で相次ぎ、二酸化炭素削減の国際公約達成が危うくなっている。なぜ日本は世界の潮流に反し石炭火力の増設に向かうのか。建設計画をめぐる地域の動きと併せ、背景に迫る。

(本誌:岡田広行、大西富士男)
写真:仙台港で建設が進む石炭火力発電所。関西電力の子会社などがかかわる

宮城県の仙台港に面する一角。10月の完成を目指し、石炭火力発電所の建設工事が終盤を迎えている(上写真)。関西電力の子会社である関電エネルギーソリューションと伊藤忠エネクスの子会社を株主として設立された「仙台パワーステーション」が運営主体だ。環境影響評価(アセスメント)が義務づけられていない小規模発電所で、住民向け説明会を開催せずに着工された。

関電エネルギーソリューションは仙台パワーステーションに関して、「今年3月8日に自主的な説明会を開催し、4月からホームページ上でお問い合わせ欄を設けた。運転開始後は、大気や水質などの環境負荷情報を、ホームページを通じて適宜公表していく」と説明する。

だが、地域住民の視線は険しい。

「公聴会の開催を求めた私たちの請願が、県議会で全会一致により採択されたために、説明会を急きょ開催したにすぎない。大気汚染や近隣にある干潟への影響を含め、事業者はきちんと環境影響を検証していない」(「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」共同代表の長谷川公一・東北大学大学院教授)

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内