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大統領令連発、トランプ旋風の虚実を見抜け ウィン・ウィンからゼロサムゲームの外交へ

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トランプ米大統領の攻勢が止まらない。1月20日の就任式で「米国第一主義」を掲げ、「ワシントンの既得権益層から政治を奪い返す」と表明。さらにTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を命じた。不法移民を防ぐためにメキシコ国境に壁を築き、費用はメキシコ政府に支払わせるという大統領令にも署名。選挙での公約を矢継ぎ早に実行に移している。

対中政策の原則だった「一つの中国」にこだわらない考えを示すなど、米国の基本方針を変更する可能性がある。日本には防衛費の増額などを迫ってくるのが確実だ。

トランプ氏の攻勢にメディアや野党の民主党は守勢に回っているが、一連の大統領令がそのまま実現するとは限らない。関連予算や法律を連邦議会が通さないかぎり、政策は実行されないからだ。トランプ氏の派手な言動に惑わされず、政策の実現可能性を冷静に見抜く必要がある。

TPPからの離脱は、大統領の指示どおりに実行されるだろう。トランプ氏は日本などと2国間のFTA(自由貿易協定)作りに向けて動きだすとみられる。貿易問題に安全保障などを絡めて米国の主張を押し通すには2国間交渉のほうが都合がよい、という判断だろう。 

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