民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の接戦が続く米大統領選。投票まで1カ月を切り、双方ともラストスパートをかけている。両氏による討論会も開催され、安全保障、経済、貿易などの分野で政策の違いも明確になってきた。新政権の誕生によって、日米関係も様変わりする可能性がある。大統領選の攻防の構図と日本への影響を考えてみよう。
米ニューヨークで9月26日に開かれた第1回のテレビ討論は、なかなか見応えがあった。
クリントン氏が真っ赤なスーツに身を包んで攻撃的だったのに対し、トランプ氏は青色のネクタイで防御的。シンボルカラーが、民主党=青、共和党=赤なのに真逆だった。クリントン氏が富裕層への増税などを訴え中産階級の支援を求める一方、トランプ氏は中国やメキシコが米国の雇用を奪ったと主張、TPP(環太平洋経済連携協定)などを強く批判した。
クリントン氏の攻勢は、こんなやり取りにも見られた。トランプ氏が「米国のインフラのひどさは第三世界のようだ。空港、道路、トンネル、学校、すべてがひどい状態だ」と述べたのに対して、すかさず「あなたが税金を払っていれば、改善できたかもしれない」と切り返した。トランプ氏が確定申告を公開していないことに目をつけ、厳しく攻め立てる姿勢を貫いた。
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