「主夫」は個人の選択でなく、家族のサバイバル戦略。キャリア女性たちの活躍の裏にある現代夫婦の新しい姿を描き出す。
女性活躍には性別の役割分担壊しが必須
──「専業主夫」は11万人もいるのですか。
11万人は年金の第3号被保険者の数で、「妻の扶養に入っている」男性数。専業主婦は680万人だから、確かにマイノリティといえばマイノリティ。彼らが家事や育児をメインに担当しているかどうかは謎だが、女性に養ってもらって暮らしている人がいることが、多くの男性には驚きのようだ。日本には性別の役割分担という強固な壁があって、それを壊すという意味でインパクトのある人々だ。
──専業とは限らない?
兼業もいるが、彼らがいちばん傷つくのはただのヒモだろうという揶揄だ。ヒモは女性の下着一枚洗わない人のことで、主夫は家事も育児もしっかり主体的に行っている。
若い人にアンケートを取ると、2~3割は専業主夫になりたい、あるいは女性が養ってくれるならそれでもいいとの答えがある。結構、若い人も男女の性別役割分担に疲れているようだ。家庭の大黒柱として一家を背負わされ、さらにイクメン、よきパパであるべしというプレッシャーもある。昔だったら、帰宅したら飯、風呂、寝るで済んだのに、家庭人としての役割も多い。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け