[SPECIAL INTERVIEW]デービッド・アトキンソン 小西美術工芸社社長
早くも2000万人突破か。2015年は日本を訪れる外国人の数がかつてない伸びを見せた。中でも中国人が急増。1~11月には14年の倍以上の約464万人が日本に押し寄せた。訪日客が増えたことで、産業としての観光が見直されている。
真の観光立国の実現に向け、日本に足りないこととは。積極的な提言を行うのが、文化財修復の小西美術工芸社で社長を務めるデービッド・アトキンソン氏。独自の「観光立国論」を語ってもらった。

David Atkinson●1965年英国生まれ。92年にゴールドマン・サックス入社。アナリストとして日本の不良債権の実態を暴いた。2009年、重要文化財の補修を手掛ける小西美術工芸社に入社、11年から現職。
──この1年で日本の観光産業はどう変わったでしょうか。
だいぶ現実的な議論ができるようになったと感じる。日本人がアピールしたがる「おもてなし」が前面に出てこなくなった。
訪日外国人が増えたこともあるが、15年11月に政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が発足し、いよいよ国策として観光産業の育成に取り組み始めたことも大きい。安倍晋三首相としては、名目GDP600兆円達成に向け観光産業を成長エンジンにしたいところ。試算では50兆円には達する。
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