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帰属する集団が持つ偏見をどう排除するか 複数の言語や民族の行動様式を知るべき

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2国が対立すると、その同盟国は一方の主張に偏りがちだ。だが、複数の言語や文化を知っていると、複眼的な思考が可能になる。(撮影:梅谷秀司)

国際情勢を分析するときに重要なのは、われわれが帰属する集団が自覚せずに持っている偏見を意識することだ。しかし、その作業はなかなか難しい。ところが、複数の言語や複数の民族の行動様式に通じていると、それが可能になる。

11月24日、シリアとトルコの国境地帯でトルコ軍機がロシア軍の戦闘爆撃機Su-24を撃墜し、乗員1人が死亡。トルコは、自国領空を侵犯したロシア軍機が警告を再三無視したので撃墜したと主張する。これに対してロシアは、領空侵犯の事実もトルコから警告を受けた事実もなく、Su-24はシリア政府の許可を受けて国境地帯のシリア領内でテロリスト掃討作戦を展開していたにもかかわらず、トルコ領内から攻撃を受けたと主張している。事実関係について両国の言い分が完全に異なっているということは、どちらかがウソをついているということだ。

ロシア・トルコ紛争では、日本は第三者だ。それだから、事態を客観的に見ることができるはずだが、実際はそうならない。なぜなら、情報空間において同盟国のバイアスがかかるからだ。安全保障上の問題で同盟国とそれ以外の国の見解が対立した場合には、事実関係がどうであろうと、同盟国の主張が正しいということにして外交を展開するというのがゲームのルールだ。トルコはNATO(北大西洋条約機構)のメンバーなので、米国と同盟関係にある。したがって、NATO諸国ではロシアよりもトルコのほうが正しいというのがマスメディアの基調になる。

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