村上、再び。 村上世彰の長女・絢、大いに語る
9年の沈黙を経て村上世彰が帰ってきた。元警察官僚や野村証券OBなど主要メンバーは去ったが、今度は愛娘が片腕。手法は相変わらず、しかし世の中の変化が親子を後押しする。当面の焦点は黒田電気への株主提案だ。
「父はコーポレートガバナンス(企業統治)という思想を浸透させることに、ずっと命を懸けてきた」。そう語るのは村上絢(あや)氏(27)。村上世彰氏(56)の長女で、6月にC&IホールディングスのCEO(最高経営責任者)に就任したばかりだ。C&Iは世彰氏の自己資金を運用する会社の一つである。
「父の時代、いわゆる村上ファンドと叫ばれた時代は、主にお客様のおカネをお預かりして投資をしていたので、(投資先の)会社の方向を向いているけれど、同時に自分のお客様もいて、その顧客に対する説明責任というのが父にあった。それでよりいっそう短期的な利益にいきやすい、ということになる。今回は自分ですべてリスクを取って、できるだけ長期的な目線で投資をしたいという思いから、おカネをお預かりすることをやめた」(絢氏)
現在の運用規模は明らかにされていないが、数百億円とみられる。かつて最大4444億円を誇った村上ファンドからすると見劣りするが、信用取引でレバレッジをかけることなどで規模の小ささは補えるという。
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