シャープ解体へのカウントダウン 再建策発表を前に海外勢と思惑が激突
5月14日に焦点の再建策が発表される。液晶パネルを続けたいシャープと、技術を狙う海外勢。思惑がぶつかり合う。
「テレビは国内に事業を絞れば、まだ黒字化の道はあるはずだが……」。シャープのある従業員はそう話し、戸惑いを隠さなかった。4月中旬、シャープが栃木県矢板市のテレビ工場の閉鎖を検討しているという報道が流れたためだ。
この工場は50年の歴史を持ち、ソニーや松下電器産業(現パナソニック)などの家電大手を追い上げる橋頭堡となった重要拠点。円安を受け、従来の海外生産を縮小し、国内増産を検討していた現場にとっては、冷や水を浴びせられるような撤退報道だった。
西のシャープ城下町も震撼した。電子部品を生産する福山第1~3工場、三原工場(いずれも広島県)。これらの生産拠点も栃木工場と同時期に、閉鎖候補として報じられた。「三原工場で生産している半導体レーザーは、ほかの工場では生産が難しい。三原以外では排水処理の問題上、原材料のガリウムヒ素を扱えないからだ。そんなに簡単に閉鎖できるものではない」。当然ではあるが、現場は強い抵抗を示している。しかし現場の反応がどうであれシャープの経営陣は、拠点の閉鎖や事業撤退・売却といった大ナタを振るうことを迫られているのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら