「わが社も消費者も、ネットワーク中立性(Network neutrality)によって利益を得る。この点をめぐっては姿勢を変えず、戦い抜く覚悟だ」──。これはネットフリックスが投資家向けに開示している長期展望の一節だ。まるで宣戦布告文のような血気盛んな表現である。
ネットフリックスのようなインターネットサービス事業者にとって今、ネット中立性は極めて重要となっている。背景にあるのはネットサービスと、それを支える通信インフラを運営する通信事業者との対立だ。
ネット中立性の議論を理解するには、問題を交通インフラになぞらえるとわかりやすい。インターネットは道路、通信事業者は道路管理者、ネットフリックスやグーグルのようなインターネットサービスは車、サービス利用者は車の乗客だと想定しよう。朝晩の通勤ピーク時に多くの車が流れ込むとラッシュが起き、時間がかかったり、渋滞で足止めを食らったりするトラブルが起きる。このとき、道路管理者が一部の車にだけ割高な料金を求め、それを支払えば走れる優先レーンを設けることは正しいのか、という議論だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら