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不安と疑念が募る地元 安全誇示する川内原発

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7月の原発再稼働を目指す九州電力。だが、残された課題は多い。

九州電力の川内原発1号機(手前)と2号機。九電は今夏再稼働を目指す(撮影:尾形文繁)

九州電力・川内(せんだい)原子力発電所1号機の原子力規制委員会による使用前検査が、3月30日に始まった。九電は7月上旬の原子炉起動と8月中旬からの営業運転を想定。そのとおりに進めば、新規制基準による適合性審査を経た原発の、再稼働第1号となる見込みだ。九電は2号機も、早期の工事計画認可と検査を経て、8月中に起動することを目指す。

しかし、原子炉の運用手順を定めた保安規定の認可はまだ。それが下りないと、起動はできない。火山対策において九電は、巨大噴火の予兆をとらえ核燃料を搬出するとしているが、搬出先は不明のままである。

安全対策強化と言うが

検査前の3月26日、九電は重大事故に備えた安全対策を報道陣に公開した。

格納容器内には、福島第一原発事故のような炉心溶融で発生する水素の爆発を防ぐため、水素濃度を低減する装置を新設した、と九電関係者は説明する。使用済み核燃料プールでは、新設された水位計や監視カメラが公開された。どこよりも安全第一の原発で、こうした機器がなかった事実のほうが信じられない。

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