北朝鮮が震える日 福山隆著

北朝鮮が震える日 福山隆著

かつて金日成(キムイルソン)の片腕として辣腕を振るった呉振宇(オジンウ)元帥が、ある日、自衛隊元陸将である著者の夢枕に立つ。そこで始まった会話を構成したアイデアは気が利いていて、おかげで飽きずに読ませるし、硬い話にユーモアの味も生まれた。北による再三のテロ事件、南北軍事バランス、特に北の核とミサイル脅威、2度の世襲、対中・対韓・対日・対米関係など、北の内幕と思惑を元帥に縦横に語らせ、著者も負けずに議論している(もちろん全編、著者の知見と推理であるが)。

元気な頃の金正日(キムジョンイル)のしたたかさが印象的で、韓国や日本の歴代政権は手玉に取られてきた感が拭えない。後継問題、哨戒艦撃沈などホットな話題もある。南北分断の固定化と多数のミサイル配備という現状が、米中ロにとってむしろ好ましい面が強いという地政学的指摘も重要だ。南北が「2層の絶縁体」となって大陸
勢力の日本への「放電」を「絶縁」していると元帥が胸を張る場面も面白い。(純)

光人社NF文庫 720円

  

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