「日本の電機産業を代表する企業とは思えないビヘイビア(行動)だ」。信用調査会社の関係者はそう言ってまゆをひそめる。東芝が部品メーカーなど取引先企業に対して、債務支払いサイトの延長を繰り返し要請していたというのだ。
支払いサイトとは、部品などの仕入れ債務発生時から資金決済までの期間(日数)を指す。サイトが長くなると払う側の資金繰りは楽に、逆に短くなると苦しくなる。大手電機メーカーでは、120~150日に設定しているところが多い。
東芝の延長要請は、佐々木則夫の社長2期目だった2009年末から田中久雄の1期目の13年末まで、10年を除く4年間の各年末(11~12月)に行われていた。
たとえば11年は資材調達部長の名義で主要取引先に対し、120日のサイトを60日長い180日に引き延ばしてほしいと要請している。この年はサイトだけでなく、円建ての支払いをドル建てに変更したいとも要請。これは為替リスクを取引先に引き受けてもらう狙いがあったとみられる。同年11月ごろは、1ドル=70円台後半まで急激な円高が進行していた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら