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東芝 田中改革 道半ば 傍流社長の険路

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調達部門から異例の抜擢をされて早1年8カ月。東芝社長の田中久雄の改革がわずかに動き始めた。=敬称略=

(本誌:富田頌子、前田佳子、杉本りうこ)

左右に門松。壁の社旗を背負うように立ち、社長が年頭の辞を語る──。東京・浜松町の東芝本社ビル39階ホールで開かれてきた東芝の年賀式。これが2015年は姿を消した。

「東芝は今年、創業140周年を迎えます。この1年を東芝グループ20万人が躍動する、節目にふさわしい年にしていきましょう」。仕事始めの1月5日。社長の田中久雄は自身の写真を添えて、イントラネット上で国内外の全社員にメッセージを送った。

「気づいたんですよ。年賀式ってグローバルじゃないよね、と。他社の経営者も『それはいい。うちも来年はやめよう』と言っていましたよ」。田中は少しばかり自慢げに語る。そしてこうも付け加えた。「まあ、一部反対の人もいましたけどね」。

反対したのは、お歴々の先輩諸氏だったのではないか。年賀式は社員に加え、経営の一線を退いた相談役らも一堂に会する数少ない機会だったという。新年をことほぎつつ、東芝ファミリーにおける自身の居場所を再確認する場。それを田中は、過去と決別するように廃止した。

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