自ら学ぶ力が育たぬ「教師が教える授業」を脱すべき本当の理由 漫画でわかる「デジタルの学び」進めるコツ

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99年、サンフランシスコで開催されたICTによるプロジェクト学習の研修会に参加し、「ICTは“学び方”にこそ秘訣がある」と実感。

2017年熊本大学教職大学院准教授に就任し、翌年の18年、熊本市はGIGAスクール構想に先がけ、熊本大学、熊本県立大学、NTTドコモと産学官連携協定を結ぶ。前田氏はICT教育の専門家として熊本大学から熊本市の教育を支える立場となり、市内の各校を回り、ICT教育の現状を把握しながら「熊本市版ICT教育モデルカリキュラム」を作成した。

長年の教員経験に加え、教師を教える立場として教育現場の現状を熟知する前田氏。現場の悩みや苦悩も十分理解しているからこそ、教員たちに注ぐまなざしは温かい。

「教師は、ICTの達人である必要はありません。教師はいろいろな知識を蓄えていますが、ことICTに関しては、子どものほうが優れていることがたくさんあります。教師自身もICTを生かしながら、子どもたちと一緒に“学び手”として成長していくことが大切です。

子どもたちがICTを活用して表現したことや考えたことに対して、教師自身が『すごいね』『面白いね』などと素直に思える感性を持ち、子どもたち一人ひとりのよさを引き出していく。そうすると、自分自身も楽しいし、幸せな気持ちになれるものです。子どもはそんな先生の姿を見て、真の意味で“自律した学習者”として成長していくのではないでしょうか」

前田康裕(まえだ・やすひろ)
熊本市教育センター主任指導主事
1962年熊本県生まれ。熊本大学教育学部美術科を卒業後、公立の小中学校で25年教える。現職教師を務めながら岐阜大学教育学部大学院教育学研究科を修了。公立小中学校教諭、熊本大学教育学部附属小学校教諭、熊本市教育センター指導主事、熊本市立向山小学校教頭、熊本大学教職大学院准教授、2021年4月より熊本市教育センター主任指導主事。『まんがで知る 教師の学び これからの学校教育を担うために』『まんがで知る 未来への学び』シリーズ(以上さくら社)ほか著書多数

(写真:すべて前田康裕氏提供)

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
長島 ともこ フリーライター&エディター

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ながしま ともこ / Tomoko Nagashima

育児、教育、PTA、暮らしのジャンルを中心に、書籍、雑誌、PR紙、WEB媒体において取材、執筆、企画、編集、講演等の活動を行っている。また、自身のPTA活動や記事執筆を機に、全国のPTA仲間と「PTA・保護者組織を考える会」を立ち上げ、情報発信やイベントの運営、PTAやP連からの相談活動等を行う。

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