コロナ禍なのにオンライン授業が浸透しない訳とは?教員、保護者、生徒も後ろ向きな回答

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オンライン授業を未だにしたことがない割合が半数以上おり、またオンライン授業はやりたくない、なるべくやりたくないと回答した割合が約7割と、全体的に後ろ向きな傾向がみられる。

あくまでもオンライン授業はコロナ禍などリアルでの授業が実施できない不測の事態のためのものと認識されているようだ。

22年1月からオミクロン株の新型コロナウイルス感染数は急激に増加し、現在学校における感染も増えている。オンライン授業を実施しなければならない局面があるかもしれないが、そのときうまく実施できるのだろうか。

各学校のITの環境は以前と比べ整いつつあるが学校の方針や教員のスキルはどうか。普段からオンライン授業への前向きな意識や取り組みがあるか否かで、こうした局面の際に真価が問われることになるだろう。

オンライン授業の今後の意向(教員600名回答)

25.3%の児童・生徒が「オンライン授業は受けたくない」

では、授業を受ける側の児童・生徒や保護者は「オンライン授業」に関してどのように感じているのだろうか?

まずは、保護者の回答を確認すると、積極的にオンライン授業を希望する回答は少なく「オンライン授業をやめてほしい」16.7%、「なるべく受けさせたくないが場合によっては受ける」50.7%と否定的な意見が7割近くに上っている。なぜオンライン授業に肯定的ではないのか?

自由記述の中に「家で設定などの面倒を見なければいけない」「通信環境を整えなければならない」など、機器やネットワーク整備の面で保護者が授業のサポートをしなければならず、負担がかかるという意見が散見された。

学校のオンライン授業について(小中高の子供を持つ保護者600名回答)

では、児童・生徒の反応はどうだろうか? 同じくオンライン授業に関しての設問には25.3%が「オンライン授業は受けたくない」と回答。「オンライン授業はなるべく受けたくないが、場合によっては受ける」が44.3%と、こちらもほぼ7割がオンライン授業に積極的ではない。

自由回答を見ると感染リスクが減ることへの評価はあるものの、「わからないところが聞きにくい」といったコミュニケーションの取りにくさを挙げる意見や「家での授業はけじめがつけにくく、ダラダラしてしまった」など集中できないとする意見が多くみられた。そして、何よりも「友人と会えない」ことに対する不満や不安が多くコメントされている。

学校のオンライン授業について(小中高の児童・生徒600名回答)

予習・復習やペーパーレス化で活用が進む

「オンライン授業」の対応は足踏み状態といえるが、授業のデジタル化という点では、PCやタブレットの活用が進んでいることもうかがえる。

配布されたデバイスがどのように授業で活用されているかを聞いた設問では、「活用していない」と答えたのはわずか21.8%のみで、残りの8割程度はなんらかの形で使用している。いちばん多い利用方法としては、33.7%が回答した「一部の予習・復習での使用」だ。次に多かった回答は「印刷物の配布や板書とPC・タブレットの使用が半々」の19.2%であった。

PCあるいはタブレットが学校側から配布されていると思いますが、授業で活用されているか(小中高の児童・生徒600名回答)

PCやタブレットが配布されてのよしあしを聞いた自由回答では「わからないことはすぐ調べられる」「機器の操作を覚えられた」「プリントがなくなったので、管理がしやすくなった」など肯定的な評価も数多く見受けられた。効率化やペーパーレスによる管理の手間の軽減。

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