通貨で読み解く世界経済 ドル、ユーロ、人民元、そして円 小林正宏、中林伸一著
円高が進む。ソブリンリスクがユーロや金融市場を揺さぶる中、日本は財政規律を保ちながら、為替や金融の安定を維持していくためにどのような対応をとるべきか。
現在日本が財政危機に陥らずに済んでいるのは、本書によれば、市場で(1)経済の実力が評価され、(2)財政規律に対する信認が維持されているからだ。信認の持続には、成長戦略をとるとともに、財政赤字を着実に縮減する必要がある。根強いデフレには非伝統的な手段も用いて、金融仲介機能を高めることも大事だ。
通貨を主軸にして、複雑に絡み合う実体経済、財政金融政策との三つどもえの関係を歴史を踏まえて読みほどき、世界経済の持続的成長のために何をなすべきか考える。
中公新書 924円
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