教員免許更新制に代わる「新制度」の気になる中身 中教審の「新たな教師の学び」とは何なのか

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中央教育審議会(以下、中教審)の「『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方特別部会」は、教員免許更新制の発展的解消を検討するのが適当とする審議を取りまとめた。10年に一度の更新講習を行う現在の制度を改め、新たな研修制度などをつくるという。「今変わらなくて、いつ変わる? 学校教育最前線」をテーマに、教育研究家の妹尾昌俊氏に解説いただく本連載。今回は、中教審が掲げる「新たな教師の学び」とは何なのか。その中身について語ってもらった。

「廃止」ではなく「教員免許更新制の発展的解消」の理由

中教審が、教員免許更新制をやめること(「発展的解消」)を正式に決定した。11月15日に中教審が審議をまとめ文部科学大臣に報告、文部科学省は来年の通常国会で法改正を目指す構えだ。

免許更新制の「廃止」とは述べずに「発展的解消」とわかりにくい言葉を使っているのは、更新制に代えて、新たな学び(研修など)の仕組みをつくることを考えているからだ。

なぜ、純粋な廃止ではないのか。保護者や世間の目としても、あるいは免許更新制をつくったときから思い入れのある議員などの思いとしても、教員の不祥事やいじめ問題への不手際、隠蔽、学級崩壊などの報道があるたびに「先生たち、大丈夫なのか」という疑念は高まる。そこへの対応策として、新たな学びが考案されている側面もあろう。もちろん、目まぐるしく社会が変化する中で、10年に一度の更新講習では間に合わず、教師が学び続けていかなくてはいけないということも大きいが。

妹尾昌俊(せのお・まさとし)
教育研究家、合同会社ライフ&ワーク代表
徳島県出身。野村総合研究所を経て、2016年に独立。全国各地の教育現場を訪れて講演、研修、コンサルティングなどを手がけている。学校業務改善アドバイザー(文部科学省委嘱のほか、埼玉県、横浜市、高知県等)、中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員、スポーツ庁、文化庁において、部活動のあり方に関するガイドラインをつくる有識者会議の委員も務めた。Yahoo!ニュースオーサー、教育新聞特任解説委員、NPOまちと学校のみらい理事。主な著書に『教師と学校の失敗学 なぜ変化に対応できないのか』(PHP新書)、『教師崩壊』(PHP新書)、『こうすれば、学校は変わる! 「忙しいのは当たり前」への挑戦』(教育開発研究所)、『学校をおもしろくする思考法 卓越した企業の失敗と成功に学ぶ』『変わる学校、変わらない学校』(ともに学事出版)など多数。5人の子育て中
(写真は本人提供)

「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びとは?

では、文科省が考えている新たな教師の学びとは、どのようなものか。

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