「海外志向」の一般家庭が急増、知られざる背景 「個性派インター」が選ばれる、納得の理由

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「インターナショナルスクールの最大の特徴は、多様性でしょう。教師も生徒も多国籍で、多様なバックグラウンドを持っています。通うだけで、グローバルな環境に身を置くことができるのです。さらに、インターナショナルスクールでは、1980年代からICT教育が取り入れられています。大手外資系企業の会議室で行われているようなことが、探究的な学びとして取り入れられているのです。例えば、自分で見つけたテーマを研究し、タブレットを使ってプレゼンテーションするといったような、実践的なスキルを早くから身に付けるのです。こうしたことから語学はもちろんのこと、ICT教育も含めて、わが子をインターナショナルスクールに入れたいと考える親御さんは増えていると感じますね」

さらに、と村田さんは続ける。

「独自の発展を遂げてきたインターナショナルスクールだからこそ、特色を持った学びを実践しやすく、新しい学びの形を取り入れるのも早いといえます。例えば、東京都港区にある『ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス』は、日本で唯一のサイエンス・インターナショナル・スクールを標榜している、STEAM教育に特化した学校です。子どもの思考力を育てるには、サイエンスがいちばん適しているという考え方に基づいて、生き物、恐竜、宇宙など、子どもの興味を引く切り口でSTEAM教育のカリキュラムを取り入れています。英語はあくまでもツールで、発想力や論理的な思考力を伸ばすことに主軸を置いているのです。ほかにも、算数やテクノロジー分野の教育に力を入れたい親御さんは、インド系インターナショナルスクールの『グローバル・インディアン・インターナショナル・スクール』を選んだりしていますね」

ローラスインターナショナルスクールオブサイエンスの授業。サイエンスと科学的なプロセスを重視している
(写真:村田氏提供)

子どもをインターナショナルスクールに通わせるというのは、もはや特別なことではなくなった、と村田さんは続ける。

「これからの社会は、ますますグローバル化していきます。その中で、自分をどう表現すればいいのか、それぞれの目標や志向・ワークスタイルを考えていく、これは必要なことです。選択肢が増えた社会では、海外を視野に入れた教育を求める人が多くなっていることも、必然でしょう。さまざまな形のインターナショナルスクールが開校しているということは、社会の要請がそこにあることを指します。今後重要なことは、海外型の教育を受けるかどうか、インターナショナルスクールに通うかどうかではなく、それぞれの子どもに合った教育の場所を求めていくことでしょう」

村田 学(むらた・まなぶ)
国際教育評論家、ieNEXT編集長、インターナショナルスクールタイムズ編集長。米カリフォルニア州トーランス生まれの帰国子女。人生初めての学校である幼稚園をわずか2日半で退学になった「爆速退学」の学歴からスタート。帰国後、千葉・埼玉・東京の公立小中高を卒業し、大学では会計学を専攻。帰国子女として、日本の公立学校に通いながら、インターナショナルスクールの教育について興味を持つ。2012年4月に国際教育メディアであるインターナショナルスクールタイムズを創刊し、編集長に就任。その後、都内のインターナショナルスクールの理事長に就任し、学校経営の実務を積む。その後、教育系ベンチャー企業の役員に就任、教育NPOの監事、複数の教育系企業の経営に携わりながら、国際教育評論家およびインターナショナルスクールの経営とメディア、新規プロジェクトの開発を受注するセブンシーズキャピタルホールディングスの代表取締役CEOを務める。10/23(土)に、村田氏も参加する「インターナショナルスクールフェア2021」がオンラインで開催される。幼小中高のインターナショナルスクールが集結予定だ
(撮影:今井康一)
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