子ども「視力1.0未満」最多、近視に外遊びが効果的 GIGA時代「デジタル機器使用」増への対処法

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「日本では、男の子は約20人に1人、女の子は約400人に1人が、色覚検査を行った場合、医学的に異なった結果を示す『色覚異常』を有するとされています。教職員の方々は、例えば画面上で文字や文章の一部を強調する際、その部分の『色を変える』のでなく『下線や波線を引く』『丸や四角で囲む』など、色の情報以外で伝えることを意識していただきたいと思います。

また、エピソード5では、屋外活動の大切さについて触れていますが、日本と同様、アジア地域でも子どもの近視が進行しており、台湾やシンガポールなどで近視の進行抑制の研究が行われています。これらの国では、『近視の進行抑制のためには1日2時間以上の屋外活動が効果的』とされており、国を挙げて子どもたちの屋外活動を奨励しています。普段通う学校においても、リフレッシュを兼ねて体を動かすだけでなく、近視の進行抑制のために、屋外活動の確保が望まれます。体育の時間に加え、休み時間などを活用した外遊びも工夫できるのではないでしょうか。太陽光の下、日陰での活動も効果があるとされています」

GIGAスクール構想が進み、子どもたちの日常に、今後ますますデジタル機器や教材が普及していくことは明らかだ。

「近視の進行は、学習環境や生活習慣を見直すことで、ある程度抑えることができるかもしれません。教育のICT化が進む時代だからこそ、『子どもたちの目の健康を守る』という視点を鑑みながら、教育・学校保健活動を進めていくことが大切です。学校だけに限らず、端末を持ち帰っての宿題、オンライン授業も始まっています。ご家庭においても『30分画面を見たら20秒以上遠くを見て目を休める』『寝る1時間前からは画面を見ない』など、お子さんと話し合ってルールを決め、デジタル機器と上手に向き合ってほしいですね」

保護者は、学校での眼科検診で視力低下を指摘された場合はもちろん、「『黒板やスクリーンの字が見えにくい』と言う」「目を細めて遠くを見ることがある」など、子どもに気になる言動が見られたら、早めに眼科を受診させることが重要だという。

「眼鏡やコンタクトレンズの装用が必要と診断された場合は、眼科で必ず処方箋を発行してもらい、眼鏡はそれを基に技術力のある眼鏡店で作り、コンタクトレンズの場合は装用の仕方を眼科でしっかり指導してもらうことが大切です。使用し始めたら、できれば定期的に通院し、度数を変える必要がないか、新たなトラブルはないか、診察を受けるとよいでしょう」

(企画・文:長島ともこ、注記のない写真:Satoshi KOHNO / PIXTA)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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