子ども「視力1.0未満」最多、近視に外遊びが効果的 GIGA時代「デジタル機器使用」増への対処法

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「ギガっこ デジたん!」は、5つのエピソードから構成されている。

エピソード1では、画面を見るときの正しい姿勢〜いすに深く座り、画面までの距離は30cm以上離すこと〜

エピソード2では、画面を見た後の目の休ませ方〜30分画面を見たら20秒以上遠くを見るようにして目を休ませること、就寝1時間前からは、入眠作用があるホルモン「メラトニン」の分泌が阻害されないよう画面の使用を控えるよう指導すること〜

エピソード3では、画面上に文字や図形などを書くときの注意点〜色覚異常の子どもに配慮し、色の違いや組み合わせに注意しながら伝えるよう心がけること〜

エピソード4では、デジタル教科書の優れた機能とその目的の教え方〜デジタル教科書には文字や画像の拡大機能、音声変換や朗読機能、ふりがなを付ける機能、白黒反転機能などがあり、視覚障害など特別な支援が必要な子どもに大切な機能が備わっていることを伝えること〜

エピソード5では、画面を見た後は屋外活動〜デジタル端末を長時間使うと、眼精疲労を引き起こすこともあるため、紫外線や熱中症対策を施したうえで、外に出て体を動かしリフレッシュする。また欄外の「調べてみよう!」コーナーの、屋外活動が近視の進みを抑える記述に注目すること〜

以上の内容が、マンガとわかりやすい文章により構成されている。「ギガっこ デジたん!」を教育現場でどのように活用すればよいのかに加え、保護者が家庭で実践できる近視の進行への対応法などが記された「ギガっこ デジたん!活用マニュアル」も、PDF形式で公開。各エピソードのポイントがまとめられており、QRコードからさらに詳しい情報を見ることができるようになっている。

21年9月、萩生田光一文科大臣の記者会見で、GIGAスクール構想に伴う子どもたちの目の健康啓発ツールとして「ギガっこ デジたん!」が紹介された。教育委員会などに周知し、子どもたちの目の健康を守るための取り組みを進めていくという。

屋外活動には近視の進行抑制効果も

丸山 耕一(まるやま・こういち)
川添丸山眼科(大阪・高槻市)院長、眼科専門医。公益財団法人日本眼科医会理事 乳幼児・学校保健、広報担当。大阪府出身。1989年近畿大学医学部眼科学教室に入局し、95年医学博士号取得。近畿大学勤務後、2001年米ルイジアナ州立大学LSUアイセンター留学を経て、近畿大学医学部眼科の医学部講師に復職。09年から川添丸山眼科副院長、大阪府眼科医会理事を務める。18年、川添丸山眼科院長に就任。同年日本眼科医会理事となり、学校保健、広報担当となる。日本眼科医会の広報強化により、乳幼児・学校保健分野の広報活動にも従事
(写真:丸山氏提供)

「ギガっこ デジたん!」の5つのエピソードのうち、教育現場で見過ごされがちなのが、「エピソード3」だという。

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