三菱電機が「業界初のペット対応」のサイクロン式掃除機発売、フィルターレスで水洗いも可能に

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三菱電機が「業界初のペット対応」のサイクロン式掃除機発売、フィルターレスで水洗いも可能に

三菱電機は、新開発のサイクロン式掃除機「風神」を発表した。

「風神」は、従来のサイクロン式掃除機に必要だったフィルターをなくすことで(1)吸引力が持続できることに加え、集じん室と旋回部を分離することで(2)排気のにおいが少なくなる、(3)水洗いが可能、という3つの特長がある。

こうした特長から、「業界初のペット対応」(三菱電機執行役副社長中村一幸リビング・デジタルメディア事業本部長=写真左=)をうたう掃除機だ。「(ペットの)犬や猫の数は08年時点で650万匹。15歳以下の子供の数より多い。大きなマーケットがあると期待している」(中村副社長)。

フィルターをなくすために、従来のサイクロン式に比べて旋回部の長さを長く取り、さらにサイクロンの旋回部を2つ、集じん室を3つ用意し、ゴミの大きさに応じて3段階で分離する構造とした。三菱電機ホーム機器の秋山雄一社長(写真右)は、「国内の競合他社はフィルター式。ダイソンはフィルターがないが、丸洗いできるのは風神だけ」と自信を示す。

モーターを使わないが強力なエアブラシ「エアエンジンブラシ」、回転ブラシに絡んだ毛をワンタッチで除去できる機能、手元グリップにセンサーを内蔵。掃除中断時に自動的に出力を10分の1に落とすことで消費電力を15%削減する「エコモード」などの機能を盛り込んだ。発売は8月1日で、店頭価格は7万円前後と5万円前後の2機種を用意。

「掃除機市場は紙パック式からサイクロン式の構成比が非常に高まっている」と秋山社長。三菱電機の調べでは、09年度の掃除機市場に占めるサイクロン式の台数比率は38%。5万円以上の高級価格帯ではすでにサイクロン式が主流で、「台数でも近々50%を超える」(秋山社長)と見ている。

掃除機市場の上位3社はパナソニック、日立製作所、東芝。三菱電機は4位から6位と2番手群にいる。「風神」を武器に「伸びが期待できるサイクロン式でシェアを2倍にしたい。なるべく早く海外展開も行いたい」(秋山社長)と意気込んでいる。


(山田 雄大 =東洋経済オンライン)

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